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頭皮への刺激は毛を減らしているんです…

かなり昔の話になりますが、
「つけて、叩く」という育毛剤とブラシのセットが売られていました。

 

ブラシで頭皮を叩くことで刺激を与えて血行を促進し、
さらに育毛剤を頭皮に浸透させるというコンセプトでした。
このCMは衝撃的で、誰もが頭をコツコツと叩きたくなったものです。

 

しかし、もしもブラシで叩くことで育毛剤の効果が上がるのであれば、
ど育毛剤もブラシをセットにして売っているはずですよね。
実際は、短期間でその商品は表舞台から姿を消しました。

 

というのは、ブラシで頭を叩くことが、
育毛の視点からは全くの逆の効果があると理解されたからなのです。

刺激による影響

その頃のCMの記憶が残っているのか、
今でもブラシで頭皮を叩いたり、頭皮に当てて強めに掻いたりして、
頭皮に刺激を与えることがスカルプケアには大切だと思っている方がいます。

 

更にはこのような刺激で頭皮が赤くなるのは、血行がよくなった証なので、髪にはよいと言う方もいます。
残念ながらこれは大きな間違いです。

 

 

まず、刺激で赤くなるのは炎症物質のヒスタミン等が生成されることが原因です。
傷ついた体を修復するために、この物質が生成され、血管が拡張するのです。

 

確かに血管は拡張するかもしれませんが、
それはその部位の細胞が傷ついていることの証明ですので、頭皮環境的にはマイナスからのスタートです。
当然それがプラスになるという確証はありません。

 

 

また、皮膚は刺激への耐性を増すために固くなってしまいます。
固い頭皮は、血行が悪く髪の生えにくい環境なのです。

 

同じように頭皮の刺激に対する防御反応として、皮脂の過剰な分泌があります。
皮脂は頭皮を外部の様々な刺激から護る大切な役割を果たすために、
毛穴の皮脂腺から分泌されます。

 

通常であればバランスよく必要な分だけが分泌されるのですが、
強い刺激があると、急激に分泌され分量のバランスを崩しやすくなります。
そのため、毛穴から排出されない程の量が一度に出て毛穴を詰まらせることもあります。

 

また、毛穴に皮脂がつまると皮脂を餌とする常在菌の繁殖に繋がり、
それをケアするために頭皮が炎症を起こしたりと、頭皮の健康は悪くなってしまうのです。

 

この皮脂の過剰分泌は、ブラシで引っ掻いたりせずとも、強くシャンプーするだけでも起きてしまいます。
皮脂が完全に取り去られたことを感知して、それを一気に解決しようと大量な皮脂分泌を促すのです。

 

 

このように、頭皮は繊細な防御反応のメカニズムによって支えられていますが、
その働きは、毛を増やすようにコントロールされているものではないのです。

 

もちろん、丁度良い刺激で、丁度良い防御反応を起こすという考えもあるでしょうが、
その状態を狙うのはそう簡単なことではないでしょう。

 

基本的には、頭皮に対しては繊細に取り扱い、
できるだけ刺激を与えないようにしつつ、清潔で健康な状態を保つことが大切です。